■場所
T大学の教室
■人物
『僕』と同級生、一年の後輩、三年の先輩
■状況
深夜に教室でゲームをしている
■本文
床に寝転がる友人達。教室に備え付けられているスクリーンには対戦ゲームの画面が映し出され、その前では顔を白く光らせた後輩達が目を細めている。携帯の時計には午前一時の表示。夜はまだ始まったばかりだ。
三日間にわたって開催されるT大学の学校祭。我ら映画研究会の出し物はもちろん自作映画の上映だ。窓に暗幕を張り巡らせ、外からの光を完全にシャットダウンする。そうして作り出した暗室で映画を上映するわけだ。
しかし、一年に一度の学校祭の、一番のイベントは実は映画の上映はではない。役員の引継と平行して行われる、夜中ぶっ通しのゲーム大会。それこそが我らが学校祭で行う最大のイベントだった。
僕はもう一度教室を見回す。脱落者――寝落ちした者――はすでに三名。二年である田中と山本、それに同じ学科の三倉だ。映画の上映のために二日前から活動しているからか、脱落者は全員二年だった。一年はスクリーンの前で顔を白くしている。僕はと言うと、別に持ってきている小さなテレビで先輩と格闘ゲームをしていた。
「次は誰が落ちますかね?」
ゲームパッドのスティックを操りながら先輩に言葉をかける。
「うーん、どうだろうね。意外にもお前とかどう?」
「いやー、そりゃないっすよー。僕はこのために目覚ましドリンクを三本も買いましたから。目がぎんぎんになっちゃって今は逆にテレビがみずらいっすよ」
テレビに映る格闘ゲームの体力ゲージがどんどん減ってゆく。僕は先輩に今まで一度も勝ったことがないが、それはもちろんこの大会には