■場所
川を見下ろせる場所
■人物
子供と女の人
■状況
子供が親からはぐれている
■一言
『おなご』っていう表現はどうなのだろう……
■本文
花びら舞い散る桜の並木。遠くに見えるは天下の富士山。川面に揺れてる誰かの帽子。母親探して子供が歩く。
「きみ、どうしたの?」
声をかけるは小柄なおなご。担いだ荷物を地面に置いて、低くしゃがんで優しく笑う。
「お母さんと、はぐれたの?」
何も話さぬ泣いてる子供。まぶたこすって地面を見てる。
「うーん、困ったな……」
顔をしかめて河原を眺める。屋台宴会大勢騒ぎ、誰が誰だか分かりもしない。
「家の場所とかは、分かる?」
場所を移動し木陰で訪ねる。首を振りつつ拳を握る、子供の表情寂しく見えて、おなごは子供の頭を撫でる。
「……大丈夫だよ、お母さんが見つかるまで私が付いてるから」
ふと耳に付く誰かの叫び。おなごが気付いてそちらを見やる。人の流れの遙かに向こう、流れを遮る何かが見える。
「もしかして……あれかな」
子供の手を引き歩き始める。ゆっくりゆっくり子供に合わせ、人の流れを進んでゆくと、頭を下げてた女の人が、二人を見付けて破顔する。
「太郎!」
手から離れて子供が走る。人の流れにぽっかり空いた、再会の場におなごが微笑み、荷物を紐解きなにかを取り出す。