■場所
繁華街
■人物
『俺』と女
■状況
女が変な格好をしている
■本文
繁華街の夜。
行き交う人々、薄汚れた路地、星のない空。コンビニの明かり、飲食店のにおい、じゃまな放置自転車。
そんな見慣れた背景の上に一つ、おかしな点があるのを俺は発見した。
交差点の一角に、寂しそうに立っている郵便ポスト。その上に座っている女。そいつは、目の前を通り過ぎる人達の顔を満足げに眺めていた。
女は浴衣を着ていた。それもかなりはだけさせている。誰かが注意しなければならない。しかし、急ぎ足で歩いている人たちは何も見ていないかのように女の前を通り過ぎる。
職業柄、俺は勤務時間内の言葉遣いには気を遣っていた。詰問するでもなく、かといって馴れ馴れしくでもなく、怖がられないように、ごく自然に話しかけるように。
もちろん、女にもいつも通りに話しかけるつもりだった。麻薬をやりとりしてる現場じゃあるまいし、動揺することなどあるはずがないと思っていた。
しかし、女に近づくに連れて、