■場所
誰かの部屋
■人物
『僕』
■状況
悩みでもあるのだろうか
■本文
甘えがある限り、同じ過ちを繰り返す。立ち止まっている限り、前に進むことは出来ない。周りの状況を無視するなら、一人で空回りをしてしまう。
諦めるのは簡単だけど、諦めないのは難しい。寄りかかりたいけど、何もない。走ろうとしても、壁を越えられない。
すべてが否定に彩られて、周りが見えなくなっているのか。それとも、自分を守るために周りを否定しているのか。
どうしても、考えがまとまらない。
静かな部屋、シンプルな机、金属で出来た電気スタンド。その明かりに照らし出されているノートには、様々な言葉が書かれている。乱雑にまき散らされたそれらは、昨日までに僕が書いたものだ。
……時間が流れているのか分からない。僕はただベッドに横たわり、机の上のノートを気にしていた。これ以上書くべきか、それとも書かざるべきか。
あまりにも静かなので、遠くを走る電車の音が聞こえている。それ以外は何も聞こえない。
どうしようもなく悲しくなって、僕は腹を括った。ベッドを軋ませて起きあがり、机の前の椅子に座る。万年筆を手に取り、キャップを外す。
悩んでいても仕方がない。今日もまた、このノートに自らの思いをぶちまける。そんなことをしたって、何の解決にもならないことくらいは分かっている。しかし、他に何をどうすれば良いというのだろう。
文字を書いてゆく。ひたすらペンを動かし続ける。それでも僕は、何かを感じることはなく、前に進むこともありはしない。
まるで蟻地獄だ。