■場所
商店街
■人物
裕太とその友達
■状況
友達と一緒に適当に歩く
■本文
人の疎らな商店街を、裕太は友達と歩いていた。
「でさ、昨日のサッカーが面白くてさ」
「へぇ、点が入りまくったとか?」
友達の話に相槌を打ちつつ、裕太はこれからどこへ行こうかと考えていた。呼び出されて適当に友達に付いて歩くのは悪くはないが、目的地がないのはどうにもしっくりこない。せっかくなら、うまいこと時間をつぶせて、寒くなく、それでいて金のかからない場所に行きたいと思うが、そのような場所が思い当たらない。
「監督が飛び出していってさ、審判につかみかかるんだぜ? そんなのみたことなかったから驚いちゃって」
「まじか、そりゃ俺も見たことないよ」
友達の話はしばらく続いていた。その話題は先週に終わった定期テストに始まり、転勤になった痩せ型の教師を通り過ぎ、その教師の顧問だったサッカー部を経由して、今に至る。
「あ、でも、監督が退場になるシーンはトイレに行ってて見てなかったな。イエローカードって選手だけじゃなくて監督にも出るのかな?」
明るい顔で友達が訊く。視線を向けられた裕太は同じように友達の方を向いて、少し困った顔をした。
「いや、俺もよく分からんよ」
「そっか、そうだよな」
友達は妙に納得したような顔で、