■場所
学校の教室
■人物
『あたし』と夏絵子
■状況
噂好きの女がしつこい
■本文
「それでそれで、あの後は一体どうなったのよさ?」
朝。あたしが教室に入って自分の席に着いた瞬間、前の席の夏絵子(かえこ)が話を振ってきた。
「どうなったって……、あんた、ずいぶんと楽しげじゃない?」
夏絵子は嫌らしい目線であたしをなめ回すように眺めている。
「えー、だって、あんな所を見せつけられたら嫌でも詮索したくなりますよ」
あたしは夏絵子の言葉には答えず、鞄を開いて教科書を取り出して、机の中に次々とそれらを放り込み、夏絵子の視線に耐えていた。
やがて放り込む教科書もなくなり、筆箱も机にしまったところで、まだこちらを見ている夏絵子をにらみ返した。
「あのね、あんたが他の子にどう思われているかなんて知らないけど、そろそろあたしは怒るよ?」
少々低い声で言ってやると、おちゃらけた表情で夏絵子は肩をすくめる。
「……へぇへぇ、そう言うなら私は退散しますよ」
捨て台詞をはいていすから立ち上がった。よくあたしの教室に来るが、夏絵子は別のクラスの人間なのだ。
最後にこちらを向いて気味の悪い笑みを浮かべた後、夏絵子は教室を出ていった。ドアが閉まるのを確認してから、あたしは胸をなで下ろして机に突っ伏した。
顔を横に向けると、