■場所
学校の体育倉庫(外にあるやつ)
■人物
体育教師の三春と、恐らく生徒である少年
■状況
見慣れない少年が用具整理をしている
■本文
いつもは見かけない少年がいた。三春は首を傾げてその少年を見た。体育倉庫の整理をしている少年の姿はどこか頼りない。少年の手際は、整理している玉入れのかごを倒してしまう様子が簡単に想像できるくらい悪かった。
しかし、三春の不安は杞憂に終わった。玉入れのかごの次に一輪車、空気入れと順に整理を続け、最後にドッジボールの山を移動し終えて少年は手をはたいた。体育倉庫はきれいに整頓がなされ、明日も子供達が気持ちよく利用できる程にはなっていた。
それでも三春にとっては穴のある整頓だった。一輪車はサドルの高さがそろっていないし、サッカーボールの中にハンドボールが一つ混じっている。少年からは気にしすぎと言われるかも知れないが、それくらいしないと後で面倒なのだ。このままでは、どこに自分の求めるサイズの一輪車があるのかを訊かれる度に一緒になって探したり、体育の時間にボールを交換するという手間のかかる作業をこなしたりしなければならない。