2007年12月16日


場所

警察署の取調室

人物

晴彦と刑事さん

状況

晴彦が取調べを受けている

一言

何かミステリっぽい始まりを書いてみようとした

本文

晴彦は、決して自分が悪いとは言わなかった。それはもちろん身に覚えがないからであり、もしわざと認めたとしても、それで許してもらえるような小さな事ではないからだっだ。

とある警察にある取調室の一つ。そこに晴彦は閉じこめられていた。

部屋にいるのは二人だけ。取り調べ担当の警官は体つきが良く、年齢は二十代後半に見える。対する晴彦は背中を丸め、うつむき加減に座っている。

「早く吐け! そうすれば幾分かは刑を軽くできるかもしれんぞ」

取り調べ担当の警官が怒鳴りつけ、乱暴に机を叩く。

「……僕は、していません」

うつむいたまま晴彦が答える。それを聞いた警官は呆れた顔で晴彦に近づいた。

「それはさっきも聞いた言葉だ。私が聞きたいのはそうじゃない。お前がどのようにしてT村M彦を殺害したのか、それだけが分かれば良いんだよ」

警官と同じように、晴彦もその言葉を何度も聞いていた。つまり、二人のいたちごっこが延々と続いているわけだ。

「ですから、僕はやっていないんですよ、刑事さん!」

さっきまで下を向いて話していた晴彦が、久しぶりに警官の方を向いた。

「どうして信じてくれないんですか! 何ですか、じゃぁ、T村を殺害した人物が他にいると証明出来れば良いんですか?」

そこまで一気にまくし立てると、警官が肩をすくめて息を吐いた。

「あのなぁ、あの状況でお前以外の誰がT村を殺せるって言うんだ? 密室どころの問題じゃない。三十分程度の問題でもない。皆が見ている所で、五秒足らずで行われた反抗なんだぜ?」