2007年12月23日


場所

何処かの学校の体育館

人物

『僕』と女

一言

一癖ある人物を書いてみようと思った

本文

小さい頃から、兄弟げんかは良くないことだと母に言われ続けてきた。

「お兄ちゃんがぶった」

だから、たまに弟が嘘をついて母にすがりつくと、僕は行き所のない悲しみに包まれるのだった。

「タカシ、あなたはまた弟をぶったの?」

そんなはずはなかった。僕は母に言われたとおりにしていた。弟がどんなにわがままに振舞っても、言葉を使って解決しようと努力した。

「……黙っていちゃ分からないでしょう?」

でも、僕はその事を口に出して弁明することが出来なかった。

「……もう、どうすれば良いのよ……」

なぜなら、僕が悪くない事が分かれば、母は弟を責めるからだ。

「ねぇ、お兄ちゃんは本当にキミヤスをぶったの?」

弟が責められれば、きっと弟は僕とけんかをすることになるだろう。

「……嘘じゃないよぅ」

だから、僕はいつも損な役回りを演じなければならなかった。

「僕がぶったの。ごめんなさい」

顔をうつむけて、なるべく弟の方を見ないで言うと、母は決まってこういった。

「……またなの。じゃあ、ちゃんとキミヤスの頭を撫でて、謝りなさい」

そして、僕はいつも思う。

この世の中は、きっとこういう不公平が一杯詰まっているのだろう、と。

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「ホシノ、ちゃんとボールの片付けしろよ」

夕暮れ時の体育館。ひとけのない用具倉庫の入り口で僕は言った。

「……はい、分かりました」

ホシノは返事をして、緩慢な動作で倉庫内に散らばっているボールを片付け始める。

「僕は帰るから、先生には二人で片付けたってきちんと言っておくんだぜ?」

「……はい」

こちらを向かないホシノに少しイラついたが、僕のほうが大人である事を示すために我慢する。

「じゃぁ、また明日」

今度は返事を待たずに、僕は鞄を背負って歩き出す。人の居ない体育館は静まり返り、とても清清しい感じがした。

体育館の入り口で上履きを脱ぐ。昇降口まで行かないで済むように、あらかじめ持ってきておいた靴をはいて外に出る。脱ぎ捨てた上履きはホシノが昇降口まで持っていく予定だ。

外は綺麗な夕焼け空だった。この町の周りには山がなく、僕の地元とは違い夕焼けがとても綺麗だ。

眠気覚ましに伸びをして、歩き出そうとした時だった。

「――っだーれだ!」

女の声が聞こえ、いきなり視界が真っ暗になる。遅れて、目の辺りに冷たいものを感じる。

「……えーっと、誰だろうなぁー」

僕はわざと分からない振りをして、目隠ししている女をじらす。

「えー、分からないの? じゃぁ、こうすれば、分かるかな……?」

そういって、女は僕に