■場所
なし
■人物
安次郎
■状況
誰かが痛そうにしている
■本文
誰かがけがをしていた。地面にうずくまって、細い声を出して泣いていた。安次郎はその人の顔をのぞき込み、心配そうに問いかけた。
「大丈夫ですか?」
それに反応して、弱々しい声が返ってきた。
「……僕に、構わないでください」
何があったのだろうか。服はところどころ破れ、膝小僧はすりむいている。それなのに、構わないでと返事をする。安次郎は怪訝に顔をしかめた。
「そんなことないでしょう。ほら、俺の手を取りなさい」
そう言って、安次郎は手をさしのべた。