2007年9月4日


場所

取調室

人物

容疑者と刑事

一言

夏の終わりと酔っ払い

本文

田舎町の警察署にある小さな取調室。今、その場所で二人の男が机を挟んで向かい合っていた。刑事の手元には電気スタンドがあり、それが狭い部屋の中心だけを明確に浮かび上がらせている。刑事の向かいに座るのは、いかにもほらを吹きそうな顔をした胡散臭げな爺さんだった。

「で、あんたはだ」

刑事は先ほどから、話しかけている相手をまるで信じていないような態度を取っている。

「これを盗んだのは自分じゃない、といい続けるわけか?」

目尻をぎらりと鋭く尖らせて刑事が体を乗り出す。対する爺さんは、もちろん何かの疑いをかけられているわけだが、自分の置かれている状況を把握していないのかどうなのか、目を丸くして刑事の厳しい言葉を受け止めて(受け流して)いる。

「そうです! 刑事さんも分かっていらっしゃる。私がそんなものを盗むなんておかしい話も限りですよ!」

そう言って爺さんは刑事が掴んでいる代物を指差した。そこには金色に光る薄っぺらいカードキーのような