■場所
川辺
■人物
おじいさんが一人で歩いている
■状況
梅雨時の川辺で遠くを見つめる老人
■本文
空は一面の灰色をしていた。この空の下で散歩をするならば、その人の肌やその着ている服はかすかに湿り気を帯びるだろう。それは目に見えないくらいの小ささの雨粒であり、すなわち霧雨が辺り一帯を覆っていた。
霧や靄(もや)のように視界が利かないわけではなく、三十メートル先の人間の顔程度なら用意に把捉出来る。ただし、長い地平の向こう側から人が歩いてくるのを見ると、その出現の様子はまるで別の世界にいた者がゆっくりとこちらの世界に侵入してくるようにも見え、なんとも言えない幻想的な光景を作り出していた。
川はせせらぎの音をさせていた。それを太陽の下で感じたならば、爽やかな風が吹くのと同じくらい爽やかな気分になるだろう。しかし、天はあいにくしかめっ面をしていて、すぐに雲が晴れる可能性など見出させてくれない。
※全然まにあいませんでした。ごめんなさい。