■場所
学校の屋上
■人物
女子生徒と男子生徒
■一言
告白とかいうシチュエーションを書いてみようかと思いました
■本文
降りそそぐ日差し、そよりとも吹かない風。七月の灼熱に犯される学校の屋上で、瀬頼明人(せよりあきと)は立ち尽くしていた。こんなムードもクソもない状況で、彼は今、一人の女子生徒と対峙していた。
「あのっ、手紙、読んでいただけましたか?」
定型句とも言える言葉をか細く絞り出したのは、明人と同じ部活に所属する風北空(かぜきたそら)だった。空はどちらかと言えば太陽を背にしていて、明人からは周囲とのコントラストで表情が読み取りにくい状態だ。
「え、う、うん。手紙、読んだよ……」
どうにか次の言葉を紡いだ明人は、屋上に足を踏み入れたときから猛烈に体が火照っていた。それは気温や日差しの問題ではない。心情の問題だった。
「えうっ……。そ、そうですよね。読んでくれたから、来てくれたんですよね……」
自虐的な苦笑いを浮かべた空はうつむき、眉を『ハの字』にして黙ってしまった。そんな彼女の様子を見た明人は、心の中が不安と混乱とで徐々に埋まってゆくのを感じていた。
彼らは文芸部に所属していた。その中でも明人は筋金入りの幽霊部員で、空は明人の真逆だった。しかし、明人は休み時間や昼休みには良く部室に顔を出し、空は明人のそんな様子に呆れた風にしていた。
『瀬頼先輩! 一体いつになったら部会に顔を出してくれるんですか?』
『えー、それよりもほら、紅茶が入ったからお前も飲むか?』
二人の調子はいつもこんな感じだった。
それがどうして、灼熱の屋上で手紙だの何だのということになっているのだろうか。
「」