■場所
建築中のマンション
■人物
『俺』
■状況
誰も居ない場所に居る
■本文
爽やかな空の日曜日。風も弱くて日差しも心地よい。道を歩くと犬の散歩をさせている婦人や、声をあげて遊んでいる子供達の姿が目に付いた。なにか音がするので見上げると、アパートの三階で布団を干しているおじさんが居て、俺を確認すると微笑みかけてくれた。それらはまるで、もう地球温暖化は解決したので何も心配は要りませんよ、と聞かされている幸せな人々のような反応だった。誰にでも暖かく、優しい世界。
対して、ここは黒に囲まれた世界だ。靴先は冷やりと冷たく、足音が反響して鬱陶しい。視界の端に見える光は四角く切り取られ、その向こう側は眩しすぎて見えない。そんな暗闇の世界では、さっきまで見ていた表の世界が嘘のようだった。
さて、俺は次に取る行動を考える。しかし、まるで思いつかない。家からここに来るまでに持ってきた荷物は携帯と財布のみだ。そんなんじゃ何も出来ない。
仕方がないので素直に待つことにする。