■場所
牢獄らしい
■状況
悪い事をして捕まってしまった人の、妄想のような幻想
■一言
このような文章を書くのは久しぶり&回想がまるでだめ→流れがないので
■一言その2
『陽だまり』という単語を使いたかったんだと思います
■本文
春、それは出会いの季節。
春、それは新しい環境での生活が始まる季節。
春、それは桜の花が咲き誇る季節。
ちょっとの昔から今の今まで続いてきた春という桃色のイメージが、私の中にさえあった。鉄格子の隙間から見える空は青く、小さくちぎれた雲が心地よさそうに漂っていた。
肩に触れるものに気付いて振り向くと、小枝子(さえこ)が不思議そうにしていた。首を少し傾げて、目の焦点をどこか遠くへ合わせていた。私はその手に触れて、空を見ていたのだという意思を伝える。小枝子は笑って、私と同じように鉄格子の向こう側を見るようなそぶりをした。
街を破壊したという罪でこの牢獄に入れられてから、もうどれほどが経つのだろうか。隣で床に座っている小枝子を見て思う。この子が私と一緒に暴走してくれたおかげで、どうにか牢獄に一人ぼっちにはならずにすんだ。
けれど、それが正しいか正しくないかで言えば、きっと正しくない。私は自らを律して暴走を抑え、そもそもの事件を起こさないようにするべきだったのだ。そう、分かってはいる。分かってはいるが、それでもこの子が私の隣にいて優しそうな顔をしているのを見ると、私一人がこの場所で鉄格子の向こう側を見ているよりも、途方もなく暖かい気がするのだ。
陽だまり。私は現実には陽だまりなんて場所を見たことがない。それは小説かゲームの中だけの話で、現実にあるのは人工的な暖かさとか、スポットライトの眩しさとか、そういうものだと思っていた。
鉄格子から漏れる日差しは、陽だまりそのものだった。朝起きてから夕方になるまで、私たち二人は日差しの作り出す陽だまりを大切にしていた。
緩やかなカーブを描いて、薄暗い部屋の中を横断する陽だまり。手に触れると暖かく、それでいてどれだけ触れていても火傷しない。
それだけに、雨の日にはいつも以上の静寂と、鬱々とした空気が部屋の中を支配した。
冷たい鉄の床、裸足の私たち、薄汚れた着衣。雨の音に戸惑い、小枝子は時々壁に手を叩きつけていた。彼女はとても悲しい音で、