2008年3月25日


場所

酷い場所

状況

良くない状況を書いてみようとしたです。終末というか

本文

私と私を取り巻く環境について友達に話をすることはない。なぜなら友達という関係を形成している人間がいないし、いたところでそんな事をおかずにして笑いあうことなど出来ないからだ。

父はギャンブル好きの飲んだくれ。母は浮気ばかりするろくでなし。私は、そんな二人を嫌悪していた不登校学生にして指名手配犯。すでに、私の顔写真は地元の警官全員に配布されているだろう。

どうして両親を殺したかなどと聞かれたら、うざかったからと答えるしかない。あの日、私はいつものように部屋に引きこもって街で引っ掛けてきたどこぞの男とイイ事をしていた。不衛生な場所にも関わらず、その男は積極的に私の体にくっついてきた。

見かけによらず勇敢な奴じゃないか。私が男に対してそのような感想を持ったのと、部屋の扉が開いたのとはほぼ同時だった。空気という物質を瞬時に乗り越え、私の嗅覚はアルコールのすえたようなにおいを感じ取った。

目を見開く間もなく父は私に覆いかぶさっている男を剥ぎ取って捨てた。男は何が起こっているのかわからないままテーブルの角に頭をぶつけた。その時の小気味良い音は今も耳の奥に張り付いている。

何か良く分からない事をつばを飛ばしながらわめき散らし、父は私の頬を叩いた。すごく痛かったので父をにらみつけると、私は父の持っていた一升瓶をひったくってその腹にたたきつけた。低い音がして父が床に倒れた。

私は下半身裸のままで、父がこれ以上何もしてこない事を確認し、一目散に逃げ出した男の行方を追うように顔をあげた。逃げるときに肩でもぶつけたのか、引き戸のドアが外れかけていた。

それから私は服装を整えて家を出た。

夜中の十二時ごろに帰ると、いつもならとっくに消えているはずの家の電気が点いていた。しかしそれほど重く捉えずにポケットから鍵を取り出して玄関を開けた。

一歩玄関に足を踏み入れると、すぐに私は異変に気付いた。靴が無い。いや、靴が靴入れの中にきちんとしまわれていたのだ。私は靴入れに整頓されて置かれている靴たちを何度も確認し、見間違いであって欲しいと思った。

なぜなら、あまりにも不気味だったからだ。いつもなら平気で散らかしている玄関がどうしてきれいになっているのだろう。理由もなしにそうなるはずがない。きっと、あいつらに何かあったのだ。もちろん、怪我でもしたのではないかというレベルではなく、また馬鹿なことでもやらかしたのではないかというレベルで。