■場所
田舎道
■人物
不憫な(と自分で言っている)人
■状況
車に乗り遅れた
■本文
重たい鞄を背負って、川原沿いを歩く私のなんと不憫なこと(よよよ……)。
今朝から一体どれくらい歩いただろう。太陽はちょっと前に天頂を通り過ぎ、今はぼんやりと辺り一面の草っ原を照らしている。恐らく既に一時か二時辺りだろうと思った。つまり、私はもう六時間以上も歩いている(よよよ……)。
どうしてこんな不憫な私が出来上がったのかといえば、説明するのも嫌なんだけど……、でも説明しなくちゃ文章が進まないって怒られそうなのでせつめいしますか……。
『ふぅっ、これで荷物の積み込み完了だね!』
今朝の五時半ごろ。私は友人の鷹野春子(たかのはるこ)と一緒に民宿の駐車場にいた。私たちはこれから山の山頂に運ぶ機材を車に乗せ、あとは教授の連絡が着たら出発するだけになっていた。
『あ、私、民宿の人に挨拶してくるの忘れた』
トランクの扉を閉めると、春子は口に手を当てて私の方を見た。私は目配せで建物の玄関を示し、
『なら行ってきなよ、二日間もお世話になったんだから』
と言った。苦笑いを浮かべ、春子は小走りで玄関に向かった。別に、申し訳なさそうな顔なんてしなくて良いのにと私は思ったが、それが春子の良いところでもあるのだからと言い聞かせ、私は彼女の